今回は、第6回ペアトレ講座の受講体験記を書いていきます。
第6回ペアトレ講座のスケジュールは、以下のとおりです。
宿題の発表
いつものように宿題の発表です。
前回からの宿題は、達成しやすい指示の実践です。
どういった指示か、指示への子どもの反応、その際の親の対応を発表します。
私は、寝る前に、歯磨きをする際のことを以下のとおり発表しました。
「めちゃ子、あと30分で寝る時間だから、そろそろ歯磨きをしなさい。」
と予告しました。
めちゃ子は、何にも言わずに、歯磨きをせず、テレビを見ています。
10分程度待っても、変わらずテレビを見てるので、めちゃ子に近づいて、
「寝る時間だよ。歯磨きをしなさい。」
と指示を出しました。
しかし、めちゃ子は、グズグズ言って、歯磨きをしないので、いつものように更に待って、再度指示を出したら、歯磨きをしました。
ペアトレの教科書では、ここでほめると思いますが、めちゃ子の場合は不機嫌になるので、ほめていません(^_^;)
待ってからほめる(上手な注目の外し方)(座学)
はじめ子育てにおいて、時には好ましくない行動や許しがたい行動に直面することがあります。
しかし、ペアレント・トレーニングでは、このような行動に対して効果的な対応策が存在します。
本記事では、待ってからほめる方法(上手な注目の外し方)について解説します。
これらの手法を活用することで、子どもの行動改善を促進し、良好な関係を築くことができます。
注目を外す、無視とは?
「減らしたい行動」や「許しがたい行動」について、待ってからほめる方法(注目を外すこと(無視))は、子どもの好ましくない行動を修正するために有効です。
注目を外すことによって、子どもはその行動が効果的ではないことを学びます。
無視、というのは、子どもの存在を無視するのではなく、子どもの望ましくない行動に過剰に反応しないこと、子どもの不適切な行動を無視することです。
子どもは、親の注目を自分に向けさせようと、一時的にその行動をエスカレートさせますが、一度無視を始めたら徹底することが重要になります。
そして、ほめることを併用してこそ効果があります。
子どもの行動が望ましい方向に変わった後に、積極的にほめることで、良い行動を強化します。
好ましい行動などについては、否定的な注目を与えがちになりますが、そこで叱ったり、ため息をつくことをしないように注目してください。
待ってからほめるポイント
待ってからほめるポイントは、以下のとおりになります。
・タイミング
好ましくない行動が見られたら、すぐに注目を外す。
・態度で示す
その行動を好ましいと思っていないこと、してほしくないことを伝える。例えば、微笑まない、視線を外す、体の向きを変える等です。
・感情的にならない
無関心を装う。ため息も注目になってしまうので注意する
・ほめる
好ましくない行動が治まったら、すぐにほめる。
好ましくない行動が治まったら、ほめることになりますが、その際のコツもあり、以下に示します。
・ほめる準備をする
子どもの行動には、常にアンテナを立てておく。
・好ましくない行動が治まったら、すかさずほめる
25%ルールを用い、表情や声のトーンの切り替えがあると更に有効です。
・無視は徹底する
先ほども書いたように、無視を行うと子どもの行動は一時的にエスカレートするので、一貫した対応が必要になります。
・兄弟の協力
親が無視を行っても、兄弟が好ましくない行動に反応してしまうと、効果がないため、兄弟に事前に伝えておく必要があります。
行動の機能に応じて
↓行動の機能についてはこちら↓
「無視」が効くのは、行動の機能が「注目」である場合です。
自閉スペクトラム症の子どもの場合は、行動のベースに不安があることが多いため、環境調整で不安を取り除いたり、指示で見通しを与えたりする対応が必要となります。
子どもの行動のメッセージが「注目してほしい」場合は、特に、その行動から目線をそらして身体の向きを変え、その行動を好ましいと思っていないこと、してほしくないことを伝えます。
状況理解が苦手な子ども、雰囲気で気づきにくい子どもには、何が望ましくないのかをわかりやすく伝え、代わりとなる行動を教えることが必要です。
そして、 感情的にならないように、無関心を装います。無関心を装い、子どもの様子をみながら、ほめる準備をします。
望ましくない行動が止まったり、程度がおさまったら、すかさずほめます。
子どもが、親が反応しないことに対して怒ったり、行動がエスカレートしたら、穏やかなトーンで、行動のヒントを与え、どうしてほしいかを伝え、少しでもましになったらほめてかかわります。
親が無関心を装っていても、きょうだいがいる場合は、きょうだいがその行動に反応してしまうこともあるため、協力が必要となってきます。
実際には、最初からうまくいかないこともありますが、少しでも子どもの言い方や態度に変化がみられたら、すかさず、認め、ほめることを続けていくことが重要です。
ベースに「ほめる-ほめられる」関係ができてくると、 子ども自身がどのように振る舞えばよいか、好ましい行 動は何かに気づくことができるようになるので、偉そうで強い言い方で言う行動は少しずつ減っていきます(好ましくない行動が、好ましい行動に変わっていく)。
↓プラスの親子関係についてはこちら↓
不適切な要求の場合の具体的な場面を考えてみます。
お腹すいたー!アイスないの?
(不機嫌な様子。大きな声で言う。)
(目線と態度で注目を外す。めちゃ子の不機嫌で大きい声で言う行動を無視。)
だーかーらー、ア・イ・ス!、アイス買ってきてよ!
(更に大きな声)
アイス買ってきてほしいって、優しく言えたら、お買い物のときに買うか考えるよ。(CCQ)
なにそれ!早くアイスーーー!
(不機嫌な様子で大きい声で叫ぶ行動を無視し、変化を待ちながら家事を続ける。)
・・・・お腹すいた。アイス食べたい。(さっきよりも落ちついた声で)(25%ルールの対象)
アイス食べたいって優しく言えたね。今の言い方は、お母さん、うれしいな。買い物のとき、アイス買おうね。
CCQについては、こちら↓
多くの場合は、こんな簡単にいきません。
うまくいかないときは、普段から子どもの良いところ探しができているか、「ほめる-ほめられる」の関係ができてきているかを振り返ることが大切です。
また、注目を外すことが効きにくい行動(無視されると延々に続くゲームなど、子どものスキルや特性に見合わないこと(初めて取り組む、わからない、できない、無視されていることに気づかないタイプ))もあり、そんな時は、環境を整えたり、子どもの特性にあった指示の工夫をしたりして、望ましい行動が少しでもみられたらほめることを続けていきます。
まとめ
待ってからほめる方法(上手な注目の外し方)は、ペアレント・トレーニングにおいて好ましくない行動や許しがたい行動に対して効果的な対応策です。
子どもの良い行動に対して積極的にほめることで、自己肯定感を高め、好ましい行動を継続する意欲を促します。
また、注目の外し方を上手に行うことで、子どもは、自分の行動が効果的ではないことを学び、変容していきます。
子どもとの良好な関係を築くために、これらの手法を活用し、成長と発達をサポートすることを目指し、実践を継続していく必要があります。
ロールプレイ(待ってからほめる)
ロールプレイには、以下のようなイラストが配布されました。
イラストを見て、どのように対応するかを考え、ロールプレイをします。お母さん役、子ども役とも参加者が演じます。
ポイントは、好ましい行動のヒントを伝え、子供の好ましくない行動には、過剰に反応せずに、ほめるために待つということです。
私は、指示について、
「あと30分で夕ご飯だから、遊んで待ってね」
と演じ、子ども役の方が、うまく次第に落ちついて、一人遊びをするように演じてくれたので、すかさず、
「お母さん、夕ご飯を作るのを待っててくれて、うれしいな。ありがとう。」
とほめました。
みなさん、かなり上手で自宅でもペアトレを実践していることがうかがわれました。
宿題
宿題は、再度ほめるです。
ほめた行動、どのようにほめたか、子どもの反応を書き出して、次回発表します。
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